「帰途白川神社に詣づ。・・・午後旅店を出でゝ常明寺に至る。僧固道（住職）迎えて本堂に至り、先ず霊位信士の二字を改めて居士となすを告げ、衆僧踊経供養す。次に墓碑を拝す。碑は移して本堂の左辺に在り。三千仏名塔題せる巨石と併立す。此れより車を倩ひて三雲に返り、午後三時半又汽車に上る。五時柘植に至りて車を換ふ。八時半名古屋に至りて又車を換ふ。
　僕はあいくるバスに乗ってあいの土山を後にした。明日は、小説『高瀬舟』の舞台となった高瀬川を京都市内に訪ねなければならない。