なるほど、チェスキー・クルムロフはプラハより絵を描き易い。街全体が小さくまとまっているので、教会の塔や建物の要素が何処を向いても視野に入ってくる。ヴルタヴァ川に丸く取り囲まれた小高い丘の上に市街が立体的に広がっているため、川を隔てた対岸からは一つひとつの建物のよく見える。街が小さいにもかかわらず素材が揃っていて、絵にならない場所を探す方がむしろ難しいくらいである。源流に近いヴルタヴァ川の川幅はこの辺りは狭く、しかも町を包むように流れているので非常に身近に感ぜられる。何時何処にいてもせせらぎの音が感じ取られ、常に心を癒してくれる。観光客で賑わっているにも関わらず旅の半ばほっと落ち着く町であった。